BTSはグラミー賞を受賞したのか?逃した理由と2026年完全体での再挑戦
世界中の音楽チャートを席巻し、数々の金字塔を打ち立ててきたBTS。アメリカのビルボードで幾度となく1位を獲得し、国連本部でのスピーチやスタジアムツアーを成功させてきた彼らにとって、唯一手中に収めていない栄冠がアメリカ最高峰の音楽賞「グラミー賞」のトロフィーです。
メンバー全員が兵役義務を全うし、待望のグループ活動再開を迎えた2026年の今、音楽ファンの間で再び大きな関心を集めているのが「BTSはなぜグラミー賞を獲れなかったのか」という疑問です。圧倒的なセールスと熱狂的な支持を集めながら、なぜ栄冠に届かなかったのか。歴代ノミネートの軌跡、アメリカ音楽界に横たわる壁、そして完全体となった彼らが描く未来の青写真を徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:BTSは第63回〜第65回グラミー賞に3年連続でノミネートされたが、惜しくも受賞には至っていない
- 要点2:受賞を逃し続けた背景には、レコーディング・アカデミーの保守的な会員構成や、ボーイズグループ・非英語圏ポップスに対する評価基準の壁が存在した
- 要点3:ソロ活動を通じて世界的な評価を決定づけた7人が2026年に集結し、完全体としてのグラミー悲願達成に向けた期待が再燃している
【受賞結果】BTSはグラミー賞を受賞したのか?歴代ノミネートの軌跡
結論から言えば、BTSはこれまでグラミー賞を受賞していません。しかし、彼らが築き上げたノミネートの歴史は、アジア出身のアーティストとして前人未到の記録です。通算3年間で複数の主要部門を含む計5つのノミネートを果たしました。
歴史の幕開けとなったのは、2021年の第63回グラミー賞でした。世界的メガヒットを記録した『Dynamite』が「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門」にノミネート。韓国のポピュラー音楽史上初となる快挙に世界中が沸きましたが、同部門はレディー・ガガ&アリアナ・グランデの『Rain On Me』が受賞し、惜杯を喫しました。
続く2022年の第64回グラミー賞では、全米ビルボードHot 100で通算10週の1位を獲得した『Butter』で同部門に2年連続ノミネート。本命視する声も多かったものの、Doja Cat feat. SZAの『Kiss Me More』が受賞の栄誉に輝き、またしても受賞を逃す結果となりました。
さらに2023年の第65回グラミー賞では、その影響力をさらに拡大させます。イギリスの世界的ロックバンド・Coldplayとのコラボレーション曲『My Universe』で3年連続となる最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門にノミネートされたほか、アンソロジーアルバムのタイトル曲『Yet To Come』で最優秀ミュージックビデオ部門にもノミネート。加えて、Coldplayのアルバム『Music of the Spheres』への参加アーティストとして、主要4部門の一つである「年間最優秀アルバム」の候補にも名を連ねました。
結果としてキム・ペトラス&サム・スミスの『Unholy』などが各賞を制し、BTSが蓄音機型のトロフィー(グラモフォン)を掲げる夢は持ち越されました。それでも、非白人・非英語圏をルーツとするグループが3年連続で最高峰の舞台に立ち続けた事実は、音楽史における確かなマイルストーンとなっています。
【なぜ獲れないのか】受賞を逃し続けた決定的な理由と選考の壁
ビルボードチャートを圧倒的な数字で制圧し、スタジアムを瞬時に埋め尽くすBTSが、なぜグラミー賞だけは手にできなかったのか。その背景には、米音楽界の特異な構造とレコーディング・アカデミーの選考基準が深く絡み合っています。
最大の要因と指摘されるのが、レコーディング・アカデミー投票会員の保守性です。グラミー賞は一般投票やストリーミング再生数などの定量データではなく、プロデューサー、エンジニア、ミュージシャンらアカデミー会員による投票で決定されます。この会員層は歴史的にアメリカ国内の年配層や白人層が多く、ロックやジャズ、アメリカン・ルーツ・ミュージックを尊ぶ傾向が色濃く残っていました。
さらに、グラミー賞には「ボーイズグループやティーン向けポップスへの軽視」という歴史的なジンクスが存在します。かつてメガセールスを記録したバックストリート・ボーイズやイン・シンク、ワン・ダイレクションですら、主要部門はもちろん、ポップ部門での受賞にはことごとく阻まれてきました。BTSの爆発的な人気やファンダムの熱狂が、皮肉にも一部の保守的な投票者から「作られた商業的ポップス」「ティーンの熱狂」として過小評価される一因となってしまった側面は否めません。
また、彼らのノミネートが『Dynamite』や『Butter』といった全編英語詞の楽曲に集中したことも、アカデミー側の限定的な受容姿勢を浮き彫りにしました。BTS本来の魅力である内省的なメッセージ性や韓国語のリリックではなく、アメリカ市場に最適化された楽曲でしか審査の土俵に上がれなかった点に、グラミー賞が抱える構造的な限界が見て取れます。
BTSグラミー賞に対するネットの反応と「人種差別批判」の渦中
BTSが受賞を逃し続けた際、グローバルなSNS上では激しい議論が巻き起こりました。ファンの失望にとどまらず、米大手音楽メディアや批評家をも巻き込んだ大きな論争へと発展したのです。
特に授賞式の進行をめぐっては、「アカデミーは視聴率稼ぎにBTSを利用しているだけではないか」という厳しい批判(通称:BTS-baiting批判)が噴出しました。低迷が叫ばれるグラミー賞授賞式において、BTSのパフォーマンスや受賞発表を中継の最終盤まで引っ張り、世界中の視聴者を画面に釘付けにしながら、最終的に賞を与えないというパターンが繰り返されたためです。
Twitter(現X)などのソーシャルメディア上では、発表直後から「#Scammys(詐欺グラミー)」というハッシュタグが世界トレンドの1位を独占。「数字でも実力でも勝っているのに評価されないのは不透明すぎる」というファンの怒りが溢れました。さらに米Rolling Stone誌やForbes誌といった有力メディアも、グラミー賞に根強く残る「非白人・非英語圏アーティストに対する見えない障壁(竹の天井)」について言及し、アカデミーの多様性欠如を鋭く批判する論考を掲載しました。
こうした逆風を受け、アカデミー側も新会員の招待枠を拡大し、女性や若手、多国籍な音楽クリエイターを積極的に迎え入れる改革を進めることになりました。BTSの挑戦と落選の歴史は、結果的にアメリカ音楽界全体の閉鎖性を暴き、変革を促す引き金となったのです。
歴史に刻まれた伝説のステージ|授賞式を支配したBTSの圧巻パフォーマンス
トロフィーの行方以上に世界に鮮烈なインパクトを残したのが、授賞式で見せたBTSの圧倒的なライブパフォーマンスでした。彼らはただの候補者ではなく、間違いなくその夜の「主役」としてステージを支配しました。
2021年の第63回授賞式では、コロナ禍による渡米制限の中、韓国・ソウルの高層ビル屋上ヘリポートを舞台にした『Dynamite』を披露。夜空に照らされたソウルの夜景と完璧なシンクロダンスは、海を越えて授賞式本会場の熱気を完全に凌駕しました。
そして今なおグラミー史上屈指の名場面として語り継がれているのが、2022年・第64回授賞式での『Butter』です。映画『007』や『ミッション:インポッシブル』を想起させるスパイ映画仕立ての演出で幕を開けました。客席にいたオリヴィア・ロドリゴの耳元に囁くVの演出から、天井からワイヤーで降下したジョングク、ジャケットを脱ぎ捨ててギターのように弾くアクロバティックなジャケットダンスまで、一寸の狂いもないパフォーマンスを展開。
会場を埋め尽くしたビリー・アイリッシュら錚々たるトップアーティストたちが一斉に総立ちとなり、惜しみないスタンディングオベーションを送りました。放送後、アメリカの主要メディアは「今夜のベストパフォーマンス」として満場一致でBTSを選出。トロフィーの有無など無意味に思えるほどの芸術性と実力を、彼ら自身の身体一つで証明してみせた瞬間でした。
2026年「完全体カムバック」でグラミー再挑戦へ|兵役を経て始まる新たなチャプター
2022年末のJINの入隊を皮切りに順次兵役義務を履行したメンバーは、2025年6月までに全員が除隊を完了。2026年、BTSはついに完全体としての本格的なグループ活動を再開させました。
活動休止期間は、グループにとって停滞どころか個々の音楽性を深化させる貴重な助走期間となりました。ジョングクのソロ曲『Seven』は全米ビルボードHot 100で初登場1位を記録し世界的なロングヒットを達成。ジミンも『Like Crazy』で韓国人ソロアーティスト初の全米1位を射止め、RMはオルタナティブで文学性の高いアルバムで批評家筋から絶賛を浴びました。SUGAはAgust D名義での大規模なワールドツアーを成功させ、J-HOPE、V、JINもそれぞれ独自のアーティスト性を確立しました。
ソロ活動を通じて「7人全員が世界基準のソロスターである」ことを証明した彼らが再び合流する2026年の新作は、かつてないスケールと音楽的深度を持つ作品として熱狂的な視線を集めています。
兵役を経て人間的・音楽的に円熟味を増した彼らが目指すのは、もはやアメリカのトレンドに迎合したポップスではありません。7人のアイデンティティと時代へのメッセージが凝縮された完全体アルバムを引っ提げ、悲願のグラミー賞再挑戦に向けた勝負が始まります。アカデミー会員の世代交代が進んだ現在の土壌も、彼らにとって追い風となる可能性を秘めています。
【グラミー賞とBTS】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:BTSはこれまでにグラミー賞を受賞したことがありますか?
A1:一度も受賞していません。第63回から第65回まで3年連続でノミネート(計5ノミネート)されましたが、いずれも受賞には至りませんでした。
Q2:なぜBTSはセールスや人気が圧倒的なのにグラミー賞を獲れなかったのですか?
A2:グラミー賞は数字ではなくレコーディング・アカデミー会員の投票で決まるためです。歴史的に保守的な会員が多く、ボーイズグループやK-POPのような商業的ポップス、非英語圏のアーティストに対して評価が厳しかった構造的要因が挙げられます。
Q3:BTSがノミネートされた部門は何ですか?
A3:主に「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門」(『Dynamite』『Butter』『My Universe』)です。そのほか『Yet To Come』で「最優秀ミュージックビデオ部門」、Coldplayの参加アーティストとして主要部門「年間最優秀アルバム」にもクレジットされました。
Q4:2026年の完全体復帰後、BTSがグラミー賞を受賞する可能性はありますか?
A4:大いに期待されています。ソロ活動を通じてメンバー個々の音楽的評価が飛躍的に高まったこと、さらにアカデミー側の会員構成が多様化していることから、完全体としての新曲・新アルバムが正当に評価される環境が整いつつあります。
まとめ:今後の展望と注目ポイント
BTSとグラミー賞をめぐる歩みは、単なる勝敗の記録ではありません。アジアのアーティストが言語と国境、そしてアメリカ音楽界の分厚い壁に風穴を開け続けた闘争の歴史そのものです。
たとえ蓄音機のトロフィーが手元になくとも、彼らが授賞式のステージで見せた圧巻のパフォーマンスと、世界中のリスナーに与えた勇気は色褪せることはありません。そして2026年、兵役を終え進化を遂げた7人は、再びグループとして新たな音を紡ぎ始めています。
より成熟し、深みを増した音楽を携えて完全体として戻ってきたBTS。世界の音楽シーンの頂点を目指す彼らの第2章から、一瞬たりとも目が離せません。 (出典: グラミー 賞 bts(Yahoo!ニュース))